住宅の不同沈下・地盤改良、自然災害による住宅被害の復旧工事等、住宅の基礎地盤の全てのご相談に応じます。WASC(ワスク)は住宅の基礎と地盤の専門会社です。

そこに住む人を守りたい

自然災害、被災地の調査とWASCの所見

最近はゲリラ豪雨、地震などの自然災害が多発しています。WASCは被災地へ飛んで行き、その被災状況を自分の眼で確かめ分析して多発する自然災害に備えた敷地、住宅であるための情報を発信し続けています。
「どんな場所が崩れているか?」「その場所の地形は?」「その場所の昔は何だった?」「倒壊している住宅の特長は?」「そんな中で倒壊していない建物と、その立地と基礎構造」などを丹念に観て、それらから得られたことを日常の仕事に反映する・・これがWASCの仕事のスタンスです。創業以来、調査に行った被災地のなかで得た大きな教訓は"盛土地盤のもろさ""昔の人の工夫""農家・農村の大変さ""逃げ""増築""川の暴れ方"でした。

東日本大震災にともなうWASCからのお知らせ

  1. » 広島市を襲った豪雨その中で見かけた素晴らしいこと(2014/8/20)
  2. » 岐阜県の集中豪雨は被災地に行った知人から情報をいただきました(2010/7/15)
  3. » 兵庫県佐用町を襲った豪雨(2009/8/9)
  4. » 東京都八王子市での斜面の崩れ(2008/8/29)
  5. » 愛知県岡崎市での豪雨と住宅の被害(2008/8/28)
  6. » 岩手宮城内陸地震(2008/6/13)
  7. » 中越沖地震(2007/7/16)
  8. » 熊本県集中豪雨(2007/7)
  9. » 能登半島地震(2007/3/25)
  10. » 中越地震(2004/10/23)

2014年8月20日:広島市を襲った豪雨その中で見かけた素晴らしいこと。

大災害発生から7ヶ月が過ぎました。月日の経つのだけが早く、被災された方々の大変さは、時間経過と共に増しているのではないか?と気をもんでいます。
私は住宅の不同沈下防止をライフワークとして、多くの時間をかけてきました。また多くの自然災害の被災地にも行ってきました。しかし、8月23日、広島市安佐南区の被災地で見た光景は、今までのどの光景よりも衝撃的なものでした。直径2mぐらいの巨石が、すごい勢いで転がってきたら、それに耐えられるものは無いと思い、「不同沈下防止と修復を一生の仕事としてやってきて、それなりの社会貢献できている」との自負心がありましたが、その自惚れが吹っ飛びました。

「いくら不同沈下しようが、命は奪われない。不同沈下防止など、たやすい仕事ではないか!」
それに比べて「土砂崩れは人の命を奪った」

しばらくは自信を失い、自己嫌悪に陥りました。
このようなことがあり、広島の土砂崩れのことは当HPにアップせず、今日に至りました。

私は長年、自然災害の被災地に行き、悲惨な状況の把握と共に、そこで見かけた素晴らしいことを伝えてきました。その素晴らしい光景が広島の被災地にもあり、その凄さに涙を流しながら撮影したのが、次の写真1と写真3です。

  • 写真1:8月23日撮影
    写真1:8月23日撮影
  • 写真2:9月13日撮影
    写真2:9月13日撮影

そばを流れる小さな川の水が溢れて、濁流が流れ込み、床下と庭の土が流出し、1.6m宙に浮いたように見えました。しかし、新築時に施工していた鋼管杭が、全く動いておらず、しっかりと建物を支えて外壁にひび割れは見当たりません。
新築時の地盤補強は種々ありますが、鋼管杭は費用が高いため敬遠されがちです。
「よくぞ、鋼管杭を採用していた。鋼管杭の施工も素晴らしい」

9月13日、写真1の使用許可(弊社のHP、講演会、基礎塾等)を、オーナー様から頂きたく訪問した時に撮影したのが写真2です。
この日はすでに復旧のためのコンクリートが打設された後でした。またその時、「お陰様で命を救われました」とのオーナー様のお言葉がありました。
建物に求めるものは色々あり、住む人によって異なりますが、不可欠なことは「住む人の命と財産を守れる建物」です。これを完璧に満たした建物、それに導いた鋼管杭の採用と確実な施工。
地盤調査会社、住宅会社、地盤補強会社方々にお礼を申し上げます。

写真1、2の建物の近くで撮影したのが写真3です。

  • 写真1:8月23日撮影
    写真3

この家の敷地は隣地から2mほど高く、間知擁壁がありました。この擁壁が濁流で流され、敷地が大きく崩れていました。しかし、外壁にひび割れが無いので近づいてみると、300mm×300mmのコンクリートの柱体が布基礎下に施工されており、それが杭のように建物を支えていたのです。この家は築30余年とのこと。この頃は今のような地盤を警戒していなかった。しかし、危険を感じた工事関係者がとった策が、見事に功を奏していました。

2010年7月15日発生:
岐阜県の集中豪雨は被災地に行った知人から情報をいただきました。

1時間80mm超、24時間150mm超の集中豪雨で大きな被害が生じました。
  • 流されたトラック
    流されたトラック
  • 八百津町の崩れた斜面
    八百津町の崩れた斜面
  • 杉の根元に「あて」がある
    杉の根元に「あて」がある
  • い崩れた個所は沢であった
    崩れた個所は沢であった
(写真は全て岐阜県 吉良氏撮影)

2009年8月9日発生:兵庫県佐用町を襲った豪雨

いつもなら静かに先祖の霊を弔えるお盆。その直前、私の故郷に近い街が襲われました。若い世代も住まわれていますが、年老いた方の家も多く目立ち「住める家への回復の大変さ」を痛感し、近年多くなったゲリラ豪雨、これに対して何ができるのか?考えさせられました。    
今回のテーマは「橋の上流、下流での被害の違い」と「床下換気口と浸水」でした。
  •  曲がった線路
    曲がった線路
  • 2mを超える浸水
    2mを超える浸水
  • JR佐用駅も浸水
    JR佐用駅も浸水
  • いつも被害が大きいのは橋の下
    いつも被害が大きいのは橋の下
  • 換気口がある基礎は水が浸入し易い
    換気口がある基礎は水が浸入し易い
  • 換気口が無い基礎
    換気口が無い基礎
  • 換気口が無い基礎では穴をあけて排水
    換気口が無い基礎では穴をあけて排水

2008年8月29日発生:東京都八王子市での斜面の崩れ

「勝ちに不思議の勝ち有り、負けに不思議の負けなし」
・・・現場を歩いてこの言葉を噛み締めた

  • 斜面崩れ
  • 斜面崩れ
  • 斜面崩れ
  • 斜面崩れ

2008年8月28日発生:愛知県岡崎市での豪雨と住宅の被害

  • 倉
  • そばを流れる伊賀川の護岸…
    いつものことながら曲がりの外側に被害が多い
  • 護岸が崩れて壊された住宅護岸が崩れて壊された住宅
    護岸が崩れて壊された住宅
  • 浸水高さ:約2.5m
    浸水高さ:約2.5m

2008年6月13日発生:岩手宮城内陸地震

  • 倉
  • いつの地震でも倉は
    大きな被害を受けていない
  • 山の被害 山の被害2
    しかし、山に入るとその被害の大きさに驚いた。
  • 山野被害」
    立木のまま崩れた
    荒砥沢ダムの周辺

2007年7月16日発生:中越沖地震

  • 大きく崩れない土留めを見つけて感銘しました。
  • 農業用倉庫の倒壊に胸が痛みました。
  • 建物増築部分での破損、倒壊が多いことに気づきました。
  • 蛇籠のような土留め:柔軟さと透水性で被害無し
  • 寂しさが漂う農業用倉庫
    の倒壊
    :今の農家では耐震補強
    もままならない。
    でも安い方法でなんとか
    したい。
  • 線路のレールを曲げる力は
    並大抵ではない。

2007年7月:熊本県集中豪雨

  • 山の表層滑りと植栽の実態が把握できました。
  • この時も洪水時の川の曲がりと両岸の被害の違いが確認できました。
  • 表層滑り
  • 対岸より低い場所は危ない
    杉の植林山は滑る…
    例え通りの被災
  • 川の曲がりと被災…
    いつも見る光景だが…。

2007年3月25日発生:能登半島地震

  • 開口部が多い建物(ここでは店舗が多かった)の弱さを目の当たりに観ました。
  • 門前町では町の裏にある休耕田の多さに驚き、復旧の困難さを想像しました。
  • 輪島でも門前町でも店舗の倒壊が顕著でした。
  • 増築部の接合はカスガイ留めだけ
    :木材が乾燥すると強風でも
    外れそう
  • 被災住宅の裏には休耕田…
    いまの農村の現実を
    見せつけられました。

2004年10月23日発生:中越地震

  • 谷が埋められた敷地(斜面盛土地盤)の弱さと切土地盤の強さ。
  • 150年ほど前に建立された神社の礎石に免震の技法を発見
    (2005年7月地盤工学会のシンポジュウムで発表済)。

  • 南魚沼市堀の内町竜光の天満天神社の礎石。発見した時は息がつまりました。
地震によって被災した建物の把握も重要。しかし大きく壊れなかった建物の把握も重要・・と考えて「虫の眼」で被災地を観ています。

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