住宅の不同沈下・地盤改良、自然災害による住宅被害の復旧工事等、住宅の基礎地盤の全てのご相談に応じます。WASC(ワスク)は住宅の基礎と地盤の専門会社です。
大災害発生から7ヶ月が過ぎました。月日の経つのだけが早く、被災された方々の大変さは、時間経過と共に増しているのではないか?と気をもんでいます。
私は住宅の不同沈下防止をライフワークとして、多くの時間をかけてきました。また多くの自然災害の被災地にも行ってきました。しかし、8月23日、広島市安佐南区の被災地で見た光景は、今までのどの光景よりも衝撃的なものでした。直径2mぐらいの巨石が、すごい勢いで転がってきたら、それに耐えられるものは無いと思い、「不同沈下防止と修復を一生の仕事としてやってきて、それなりの社会貢献できている」との自負心がありましたが、その自惚れが吹っ飛びました。
「いくら不同沈下しようが、命は奪われない。不同沈下防止など、たやすい仕事ではないか!」
それに比べて「土砂崩れは人の命を奪った」
しばらくは自信を失い、自己嫌悪に陥りました。
このようなことがあり、広島の土砂崩れのことは当HPにアップせず、今日に至りました。
私は長年、自然災害の被災地に行き、悲惨な状況の把握と共に、そこで見かけた素晴らしいことを伝えてきました。その素晴らしい光景が広島の被災地にもあり、その凄さに涙を流しながら撮影したのが、次の写真1と写真3です。
そばを流れる小さな川の水が溢れて、濁流が流れ込み、床下と庭の土が流出し、1.6m宙に浮いたように見えました。しかし、新築時に施工していた鋼管杭が、全く動いておらず、しっかりと建物を支えて外壁にひび割れは見当たりません。
新築時の地盤補強は種々ありますが、鋼管杭は費用が高いため敬遠されがちです。
「よくぞ、鋼管杭を採用していた。鋼管杭の施工も素晴らしい」
9月13日、写真1の使用許可(弊社のHP、講演会、基礎塾等)を、オーナー様から頂きたく訪問した時に撮影したのが写真2です。
この日はすでに復旧のためのコンクリートが打設された後でした。またその時、「お陰様で命を救われました」とのオーナー様のお言葉がありました。
建物に求めるものは色々あり、住む人によって異なりますが、不可欠なことは「住む人の命と財産を守れる建物」です。これを完璧に満たした建物、それに導いた鋼管杭の採用と確実な施工。
地盤調査会社、住宅会社、地盤補強会社方々にお礼を申し上げます。
写真1、2の建物の近くで撮影したのが写真3です。
この家の敷地は隣地から2mほど高く、間知擁壁がありました。この擁壁が濁流で流され、敷地が大きく崩れていました。しかし、外壁にひび割れが無いので近づいてみると、300mm×300mmのコンクリートの柱体が布基礎下に施工されており、それが杭のように建物を支えていたのです。この家は築30余年とのこと。この頃は今のような地盤を警戒していなかった。しかし、危険を感じた工事関係者がとった策が、見事に功を奏していました。
「勝ちに不思議の勝ち有り、負けに不思議の負けなし」
・・・現場を歩いてこの言葉を噛み締めた
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